古来から伝わる日本妖怪って、海外の空想上の魔物とは違い、どこかクスッと笑ってしまうような外見であったり、ほっこりする物語のものが多い気がするのは私だけでしょうか。
こちらは、平家物語に登場する妖怪 鵺(ぬえ)。
猿の顔、狸の胴体、虎の手足を持ち、尾は蛇。
なんだか無茶苦茶な設定のような面白い発想ですよね。
『平家物語』の中では、下記のような物語として記されています。
平安時代末期、天皇(近衛天皇)の住む御所・清涼殿に、毎晩のように黒煙と共に不気味な鳴き声が響き渡り、二条天皇がこれに恐怖していた。
遂に天皇は病の身となってしまい、薬や祈祷をもってしても効果はなかった。
鳴き声で病になる…精神的にまいってしまったのでしょうね。
そこで弓の達人である源頼政に怪物退治を依頼し、鵺を打ち落し、すかさず猪早太が取り押さえてとどめを差した。
それにより天皇(近衛天皇)の病はたちまちにして回復、頼政は天皇から褒美に獅子王という刀を貰賜した。
物語としては、構成的にも素晴らしいと感じるのですが、鵺の姿かたちがユニークですよね。
そこで、鵺を漢字で姿としてイメージできる作品を書きたいなと思い、揮毫してみました。
行書・草書を用いて鵺・弓を甲骨文字にて添えて表現してみました。
なんだか面白い姿・逸話をもつ日本妖怪を調べたくなってきました。
次回、また日本妖怪が書に化けて登場するかもしれません😊